Esqlima's Replay 1-1
魔法使いのお使い
その1
- ゲームマスター(以下GM、Esqlimaが務めます) 君は『腕に自信のある冒険者を急募!!』というビラを見つけたよ。その横のカウンターでは、店の主人がグラスを磨いてるね
- フォース・G・オープン(以下ゲート) (グラスを磨く仕草をして)お客さん、ここはカクテルがお勧めですぜ
- ロバート・デヴァイス(以下ロバート) あ、じゃ、それくださーい
- 一同 (爆笑)
- アイアンストマック・ゾック(以下ゾック) 頭磨いてたら、やだな(笑)
- ティア 「このビラは?」と主人に聞いてみる
- 店の主人(GM) お、そのビラか。それは魔術師ギルドの人が張っていったビラだよ
- ティア お姉ちゃんだったら行く、お兄ちゃんなら行かない、……違う?!
- GM 普通は逆じゃないの? 私はノーマルだからね!(笑)
- GM&ゾック 少しは演技入れてくれよ(苦笑)
- ゲート ちゃんとやってますよぉ(とカクテルとシェイクしているマネをする)
- ロバート 僕も一応、バーの客として(笑)
- GM それと、貴方は?(1人、会話に参加していない隣りのプレイヤーに)
- ジョージ・シューマッハ(以下ジョージ) 店の片隅で1人で座ってる
- GM んもうっ! 一応皆さんはパーティになってるんだから、自己紹介した時点でっ!
- ゾック もうなってたのか……
- ゲート それじゃ、ここでアルバイトしてても仕方ないな(笑)
- ロバート ここで客やってても、以下略(笑)
- ゾック あー、さて、ここにメシはあるかあ?
- GM あるよぉっ(そりゃ勿論!と言わんばかりに)
- ゾック よし、喰わしてもらおう
- GM じゃあ、1食1ガメル(しまった!安すぎた……)払ってもらいましょ
- ゾック (隣りのロバート役のプレイヤーに手を差し出し)おう、借りるぞ!
- 一同 (爆笑)おいおいおい……。ちょっとまてっ!!(口々に)
- ロバート バッコーンッ!!(ゾック役のプレイヤーをぶん殴る仕草)
- ゾック (それにもメゲず)おら、金を出せ
- ロバート スコーンッ!!(2発目をお見舞いする仕草)
- ゲート (小声で)俺、金持ってるしー……(笑)
- ロバート 誰だよ? こんな奴パーティに入れたのは(笑)
- ティア あんたでしょ?
- ロバート オレ知らんっ
- ゾック おーい、メシはどうした?
- 店員(GM) お待たせいたしやしたあ! 1ガメル頂きやすっ!!(笑)
- ゾック おお! と言って、隣りの奴(ロバート)からちょっと金を借りてだな、渡す
- 店員 (ロバートに手のひらを差し出し)ほな、早う出せ、早う(笑)
- ロバート (周りを見回して)誰?! ねぇ、誰この人?(とゾックを指す)
- 一同 (爆笑)
- ゾック (ロバートに)ビンタを喰らわす
- ゲート やばい……、無銭飲食だわ、こりゃ(笑)
- 店員 誰でもいいから払ってくれやっ! 確かこいつ(ゾック)は一文無しだったんだ(笑)
- ティア やだっ(笑)
- 店員 持ってきた意味ないやないかぁ!
- ゾック ほれ、早く出せ!(ロバートを脅す)
- ロバート いくらで返す?!(対抗する)
- ティア カラダで返すって言われちゃうよ(笑)
- 一同 (爆笑)
- ゾック こぶしで返そう
- ロバート いらんわい!(笑)
- GM 奥の方から店の主人が何か言ってるよ
- ロバート 何?
- 店の主人 金払わんのなら、身体で払え!
- 一同 (爆笑)
- ロバート あっ、どーぞどーぞ、こんな身体でよかったらいくらでもっ(と、ゾックの身体を押し出す)
- ゾックゾック おのれら……(必死にもがいている)
- 店の主人 あ、でもドワーフじゃ使い道ないから、そーだな……(しばらく考えて)そこの姉ちゃん(ティア)に来てもらおうか!(笑)
- ティア えっ?!
- ゾック おお、いいぞいいぞ!
- ティア (GMを見て)おいおいっ!
- ロバート どんどん、こき使ってやって
- ゾック あ、それよりも、コイツ(ゲート)のアルバイト代からさっ引けばよい
- ゲート ちょっと待って! タダ働きさせられてるのに金取るっていうのぉ!!
- 店の主人 (勝手に働いてるくせに……GM談)うむ、なら今回はそれ(ゲート)に免じて許してやろう(全くこいつらは、仲間意識ゼロだな、やれやれ……)
- ゾック 年寄りをいじめちゃいけないよ
- GM 本題に入るよ。ティアがビラの内容を読む。依頼主は、魔術師ギルドに所属している女魔術師のエミルファという人だよ
- ゲート ピュ~ッ(口笛を吹く)
- ティア キレイじゃなきゃ怒るよ
- GM ティアよりはちょっと劣る位……って言っても、まだ面識がないので、キャラクターとしてはわからないよ(苦笑)
- ロバート 女、キレイだって
- ゲート 嫁さん募集中(笑)
- GM (全くコイツは~、キャラクターとして喋ってんのかな?!)……一応『やや良い』の部類に入ってるから
- ティア 私もその『やや良い』だけど
- ロバート (ティアに向かって)え、あんた、外(おそらく”例外”という意味)
- ティア どーして?!
- ロバート だって、性格悪いもん(苦笑)
- ゾック ワシ、『悪い』だけど
- 一同 (爆笑)
- GM あ、忘れてた。ゲート、ちょっと2D振って
- ゲート 2Dね(念を込めて)ライダージャンプ!!(振った目を見て)あ、思いっきり悪い(出た目は合計4)
- GM 4か……(さっきのルールのメモを見る)じゃ、『悪い』だ、それは……
- 一同 (一瞬の沈黙)
- ゲート 良いんだー、傭兵は外見悪い方がー……(いじけている)
- ゾック 心配するな、ワシより1つ良い(笑)
- GM で、依頼の内容は書いてなくて、ただ『腕に自信のある冒険者を急募!!』ということで、何人か雇いたいという話しだそうだ
- ゲート いや、内容はっきりしてくれないと嫌だ(きっぱり)
- GM 魔術師ギルドに行けばわかるよ(無責任な口調で)
- ゲート いや、だってプロは行ってからじゃ断れないの知ってるから、ここで話しをつけないと嫌ですね
- ティア (意を決して)わたし、行ってこよう
- GM ティアだけ?
- ティア んー……、ちょっとお供のサル連れて(笑)
- 一同 (爆笑)
- ロバート (呼ぶように)サル!!
- ティア あんただよ(ロバートを示して)
- ロバート え? え?!(自分を指差し)
- ティア わたしより筋力低いくせに(笑)
- ロバート (ティアに首根っこ捕まれて)捕まったでごザ~ル?
- GM じゃ、ティアとロバート以外の人はちょっと席を外してね
- GM 君たちが魔術師ギルドに来ると、外でエミルファさんらしき人が待っていて、彼女の部屋に案内される。勿論、ちゃんとお茶も出してくれる
- ロバート ……(別室で騒いでいるゲート達の声を聞き)楽しそうだなぁ……、いいなぁ……
- GM おい、今日は『かくかくしかじか』は通じないんだからね
- ティア で、依頼って、何?
- エミルファ(GM) はい……、実は、私の師匠が忘れ物をしてしまって、それを届けるのに同行して欲しいのです……
- ティア 忘れ物って、下着?!(笑)
- ロバート 着替え?! 日用品?!(笑)
- GM 服とかじゃないよ(笑いつつエミルファに戻る)はい、師匠が研究に使っている古文書とその古代の品物を忘れたんです
- ティア うんうん
- GM おじいちゃんだからねぇ、彼女の師匠も(笑)
- ティア ボケ始めてるんだ(笑)
- GM そのおじいちゃん、サモエスっていうんだけど、今はオレリアンからちょっと南へ下った所の森の近くの古代遺跡にいる。その遺跡、昔、城塞都市として有名な所だったんだけど、今はすっかり廃れてしまって誰も入らないそうだ
- ティア (手元の地図を指差し)これ?
- GM この地図には載ってないけど、この山脈の麓ね。オレリアンから歩いて3日位の所だ
- ティア まあ……
- エミルファ ああ、それと先程も言いましたが、私も同行します。貴方達だけでは遺跡の入り方が解らないと思いますし、旅の途中何かあっても困るので……
- ロバート え?!
- ティア だから、わたしたちはそのサモちゃんが忘れていった物(ぶつ)を届ければいいんだよ
- ロバート ああ! そうか(納得)
- GM もしかして今まで飲み込めなかったの?(説明が悪かったか……)まあ、いいや。でだ、エミルファさんをよく観察すると、左脇にソード(剣)の入った柄を下げている。どういうことか解るかい?実は彼女、昔、オレリアン王国騎士団の所属……つまり『騎士』だったんだけど、どうも自分の性格に合わなくて、ドロップ・アウトして魔術師ギルドに入ったんだ
- ティア それは凄い転職だぞ
- GM いや、だから戦士(ファイター)としては一流なんだけど、魔術師(ソーサラー)としては半人前だね。まだ1レベルだし……
- ティア それは『ボケ』だわ
- ロバート でも、それって良いなー……
- GM 戦力としては魔法は『オマケ』で、どうしても手(剣)が先に出てしまってよく師匠に叱られているらしいよ。ま、まだ見習いだし、仕方ないよね(と言いつつ2人に、エミルファのキャラシートを見せる)
- ティア あ、ホントだ……(しばらくごちゃごちゃ喋った後、ロバートに)ああ、やっぱあんたより筋力高いわ(笑)
- ロバート ダァーンッ!!(ティアをぶん殴る仕草)
- GM はぁ……(溜め息)エミルファさん、2人のやり取り見て困ってたけど、気を取り直して聞いている「こんな依頼ですが、引き受けて下さいますか?」
- ティア&ロバート 報酬は?!
- エミルファ 報酬は1人500ガメルでいかがですか? ただし、成功したら、の話ですが……。あと、これは余談なのですが、師匠の所に無事たどり着いたら、師匠からも何か貰えるかもしれません
- ロバート ふむふむ(メモを取る)
- GM まあ、彼女の師匠、一応魔術師だからねえ、レベルの高い
- ロバート 必要経費は落としてくれる?
- ティア 落としてくれないと、他人にたかる奴(ゾックの事)が……
- ティア&ロバート いるんだわー……(声を揃えて)
- エミルファ わ、わかりました。その点については私が何とかします……。でも、私自身そんなにお金持ってる訳じゃないですから、必要経費でかかったお金の分はちゃんと報酬から引かせてくださいね……(そんなに甘くないのだよ、ふふ)その辺の所を、ちゃんとその人に伝えてくださいね
- ティア&ロバート いいよー!
- エミルファ では、私は今から早速準備をしますので……
- ロバート あんた(エミルファ)は?ちゃんと装備してるね?
- GM さっき見せたでしょ?(もう一度プレイヤー2人にエミルファのキャラクターシートを見せる)
- ティア&ロバート (キャラクターシートを見て)うーん……、あるあるある……
- GM 見てごらん、ちゃんと魔晶石まであるんだよ。白兵戦でも魔法戦でも惜しみなくどんどん使えるように
- ティア この魔晶石欲しい! あ、でも、わたし使えないや……(苦笑)
- GM 所持金が4625ガメルもあるから、そこから必要経費持ってあげるよ
- ロバート ……ざけんなよー(苦笑を浮かべて「なんであんたそんなに金持ってる?」と目で訴えている)
- GM だって元『騎士』だったから。それなりに一応、稼いでたからねー
- ロバート 稼ぎまくったろー……
- ティア 食料支給は?
- ロバート 経費で落としてくれるって言ってたでしょ?
- エミルファ とりあえず、保存食とかの買い物が終わったら明日にでも届けに来ますので……
- ロバート はいはい
- エミルファ では、そういう事で明日からよろしくお願いしますね(深々と頭を下げるGM>)
- ティア&ロバート いえいえいえいえ……(GMと同じように)
- GM (素面に戻って)んじゃ、他の3人を呼んでくるか……
- ティア 第1回講演の終わりでございますね(笑)
さて、今回はアレクラスト大陸の南西に浮かぶ新世界「ファーランド島」の首都「オレリアン(中心の国)」という都が冒険の舞台です。
そこのあるひとつの冒険者の店(しまった! 店の名前を考えてないっ)で知り合った冒険者5人はそれぞれ自己紹介をし、酒を酌み交しています。
しばらくして、そのうちの紅一点、リフェスティア・〈アマゾネス〉・セアリアン(以下ティア)は、壁に張り出してあるビラの一つを見つけました。
この『やや良い』ってのは私が作ったバリアント・ローカルルール。APP(外見の美しさを表わす数値)がないソードワールドRPGに急ごしらえでAPPを作ってしまった訳だ。
2Dを振って出た目が6ゾロ(12)なら至上稀に見る美男美女、1ゾロだと……。という感じだ。だから2Dの目が10のティア、9のエミルファは『やや良い』で、4のゲート、3のゾックは『悪い』のである。ちなみにロバートは8、ジョージは7、いずれも『人並み』である。
ここでゲート、ゾック、ジョージの3人を別室に移動させ、ティアとロバートだけ魔術師ギルドに来るシチュエーションを作る。
普通なら、面倒なのでこういった別行動シーンはその場に人がいても話しを進めて、後で『かくかくしかじか』で終わらせるのが一般的。この時は、プレイヤーに状況を説明させて感情移入を深くさせようとしたのだが、問題はこのパーティ……ただで終われる訳がない……(泣)
レベル7の魔術師つかまえて「サモちゃん」かい、君(ティア)は? 一応、バリアント・ローカルルールで、魔術師で弟子が取れるのは7レベル以上って決めてるんだけどなあ……。弟子がいる時点で気付けよ、ちょっとは(苦笑)