幻想少年録
第5話
- パチュリーを倒したその先に、地下へと続く階段を見つけた俺と魔理沙は、地下を進んでいた。
- 魔理沙の魔法の灯りで見える程度だが、人の手によって造られたと思しき壁があった。
- ザラウ「魔理沙さんは、幽霊とか信じる性質(たち)ですか?」
- 魔理沙「そんなの、幻想郷では当たり前だぜ!」
- ザラウ「アッ、ハイ……」
- そんなことを話しながら歩いていると、また、大きな扉が目の前に。だが、ただの扉の材質は、先程の木材ではなく、鋼鉄だった。
- ザラウ「なにこれ?」
- 魔理沙「さあ?」
- もちろん、俺がやることと言ったら1つ。
- ザラウ「おじゃましまーす!」
- 言いながら、鋼鉄の扉を無理矢理こじ開ける。
- 魔理沙「……そんな細腕でよく開けれるな?」
- ???「……誰?」
- そこにいたのは、10歳くらいの幼女だった。
- 濃い黄色の髪をサイドテールに結い、つい先ほど倒したパチュリーと同じようなドアノブカバーのようなナイトキャップを被り、半袖の白いブラウスに、真紅の巻きスカートを身に着けている。
- 何よりも、その背中には、木の枝みたいな一対の翼、その枝に七色の水晶がいくつもぶら下がっていたのだ。
- 魔理沙「お前が、レミリア・スカーレットだな!」
- ???「レミリアは私の姉よ、私はフラン、フランドール・スカーレットよ」
- 俺は無意識に刀身をフランドールに向けていた。
- 魔理沙「ザラウ!? いきなりどうした!?」
- しかし、フランドールは怯えることなく、
- フラン「わかったぁ♪ お姉様からの”おもちゃ”ね♪」
- ザラウ・魔理沙「は!?」
- フランドールの顔は狂気に満ち溢れていた。
- これにはさすがの魔理沙も怖かったようで、一歩後退り、
- フラン「あなたは、どれくらい持つかしらぁ♪」
- そう言った瞬間、フランは4人になった。分身した後、すぐさま襲いかかってきた。
- 4人に増えたうちの2人は魔理沙、もう2人は俺に向かってきた。
- 俺に向かってきたフラン、1人は巨大過ぎる”炎の剣”、もう1人は長く伸びた”爪”で攻撃を繰り出してきた。
- ザラウ「危ねぇ! そんなのアリかよ!?」
- ”炎の剣”の斬撃を咄嗟に刀で受け流し、”爪”フランの攻撃を間一髪かわした。
- 魔理沙「恋符マスタァー・スパァークッ!!」
- 出ましたよ、伝家の宝刀、マスター・スパーク。その火力は先ほどのパチュリーの時に目に焼きついていた。
- もちろん、フランたちも一瞬にして粉微塵……、魔理沙の方に行った本体が消されたので、分身は消えると思っていたが、俺の目の前には、フラン2人がほくそ笑んでいた。
- フラン「あのねぇ♪ これ全部”本体”よ♪」
- ザラウ「(性質の悪い分身だ……)」
- 魔理沙が使っていた技を見て、俺は閃いた。自分の中に何か、特殊な能力があることに。
- 刀を構える。
- フランたちは勝てると思ったのか、突撃してきた。
- ザラウ「……斬……」
- 突っ込んでくるフランたち、次の瞬間、刀身が紫色に輝く。
- ザラウ「……鉄……」
- 魔理沙「ザラウ! 危ないんだぜ! 避けろ!」
- ザラウ「……剣!!!!!!!!」
- -------ズバッ!!!
- ザラウとフラン2人が重なり、ザラウはフランたちを通り過ぎる。
- ザラウ「……相手はピチュる」
- フランたちの体がそれぞれ真っ二つに切れ、瞬く間に消えてしまった。
- 魔理沙「ザラウ、お前、人間か!?」
- ザラウ「……知らんな、と言うか人間ですけど」
- 魔理沙「それは良いや、ひとまずフランとやらは倒したみたいだし、先に進もうぜ!」
- ザラウ「はいはい」
- -------数分後。
- フラン「あ、危なかったぁ……(泣)……でも、”アレ”、面白ーい♪」