幻想少年録
第3話
- 魔理沙に拉致られて、たどり着いたのは神社、極々普通の中規模で、掃除も行き届いた綺麗な神社だった。
- 鳥居をくぐると目の前に、頭に大きな赤いリボンをつけた長身の少女と、頭に赤い山伏風の帽子?に背中には黒い烏のような羽根をつけた少女が立っていた。
- 魔理沙「おう! 霊夢、文(あや)!」
- 呼応するように、長身の少女が答えた。
- 霊夢「あら、魔理沙じゃない?……その男の子誰?」
- 続けて、その烏の羽根の少女が、
- 文「魔理沙さんの兄弟か何かで?」
- と問いかけてくる。
- 魔理沙「違うぜ! 川で流されていたから拾ってきたんだぜ!」
- 魔理沙が答える。
- ザラウ「……」
- 俺が沈黙していると、霊夢と呼ばれた少女が声をかけてきた。
- 霊夢「こんな所で立ち話も何だし、上がりなさいよ、そうそう、素敵なお賽銭箱はあそこよ♥」
- ザラウ「あっ、はい……」
- と言いながらポケットに入っていた10円をお賽銭箱に投げ入れると、霊夢の顔が笑顔でパアッと明るく輝いた。
- 魔理沙「いたいけな少年に何させてんだよ!?」
- 魔理沙が窘めると、霊夢が輝く笑顔のままで、
- 霊夢「ふっふっふっ、お賽銭を入れたのが運の尽きよ♪」
- と嬉しそうだ。
- 文「巫女の貴女が何を言ってるんですか?」
- 文と呼ばれた少女にも呆れられる始末だ。
- 魔理沙「それよりも聞いてくれ! いきなり湖が現れて、尚かつ、そこには真っ赤な洋館が現れたんだぜ!」
- 霊夢「それは私も知っているわ」
- その時、どこからともなく真っ赤な霧が流れてきた。
- 一同「!?」
- 霊夢「これは……」
- 魔理沙「異変だぜ!」
- ザラウ「異変?」
- 魔理沙「……ん? そう言えばお前、名前聞いてなかったな! 何て名前だぜ?」
- 魔理沙が思いあしたように問いかけてきた。
- ザラウ「……ザラウ・クルス」
- 答えたけど反応は薄かった。
- まあ、当然の反応だと思う。
- いつまでも「少年」「男の子」「彼」じゃ呼びづらいから名前を聞いたのだ、と。
- 霊夢「ふーん、さて行きましょうか」
- ザラウ「……どこへ?」
- 魔理沙「どこって……、決まってるだろ!?」
- 文「霧の発生源ですよ」
- ザラウ「アッ、ハイ、デハ、イッテラッシャイ」
- 魔理沙「何言ってるんだよ? お前も行くんだぜ!」
- ザラウ「……え?」
- 霊夢「私、そういう面倒なのは良いから、魔理沙が持って行ってよね?」
- 魔理沙「ああ! わかってるぜ」
- と魔理沙が言った瞬間、俺は彼女の竹ぼうきにまたがされた。
- ザラウ「……へ?」
- 俺の前に魔理沙がまたぐと、竹ぼうきはゆっくりと宙に浮いた。
- 霊夢「それじゃあね」
- 見ると、霊夢も宙を歩いていた。
- 文「では、いってらっしゃい、私は情報収集するので、また後で」
- 下、つまり地上から文は手を振って、俺達を見送ってくれた。
- 魔理沙「しっかりつかまってるんだぜ!」
- 魔理沙と俺を乗せた竹ぼうきは、辺りが見渡せるくらいの高さまで浮上すると、赤い霧の方へ向かっていった。