幻想少年録
第4話
- 魔理沙「何なく入れたな……」
- 洋館にたどり着いた俺たちは、警戒しながら洋館の中を歩く。
- 人が住んでいるのか、洋館の中は真っ暗ではなく、シャンデリアがひとつも消えずに辺りを照らしていた。
- 外から見たよりは、中は驚くほど広かった。
- ザラウ「こんな広かったっけ?」
- 話しながら歩いていると、目の前を塞ぐ何かにぶち当たった。
- ザラウ「え? ドア……?」
- 魔理沙「……って、デカすぎるんだぜ!」
- 物の試しにドアの取っ手を押したり引いたり、終いにはドロップキックをかましたり。
- 畳二畳分のドアが、俺のドロップキックで遠くに吹っ飛んでいった。
- 魔理沙「私がぶち破ろうと思ってたんだぜ……」
- 吹っ飛んでいったドアの先も明るく照らされているので様子がわかった。
- 魔理沙「本と言うか、何このデッケー本棚!」
- そこは図書館というよりも、デカイ本棚がそのまま壁と化していた。
- ???「あら、珍しいお客様ね」
- 声の方を見ると、本を持った少女、……なのだが、服装に驚いた。
- 丸くてフリルのついた薄紫色のナイトキャップ(見た目はドアノブカバー)に、薄紫色と白の縦じまのゆったりしたネグリジェ。
- 髪の色は濃い紫色で、ナイトキャップとネグリジェに良く合っていた。
- ナイトキャップには三日月の飾りがついていた。
- 魔理沙「お前は誰なんだぜ?」
- ???「私はパチュリー・ノーレッジ」
- 魔理沙「お前が赤い霧を起こした犯人なのか!?」
- パチュリー「いいえ、紅い霧を起こしたのは私の友達、レミリア・スカーレット」
- ザラウ「じゃあ、そのレミリアとかいう人の所に連れて行ってください」
- パチュリー「それはできないわ、レミィの邪魔をするというなら、案内する訳にはいかないわ!」
- パチュリーの右手にはいつのまにか、模様がついた手のひらサイズの紙、カードみたいな物があった。
- パチュリー「日符ロイヤルフレア!」
- パチュリーの背後に紫色の魔方陣が出現し、そこからいくつもの火の玉がこちらに向かって飛んできた。
- ザラウ「うわっ!?」
- 俺は持っていた大剣……、じゃなくて刀(いつ変わった!?)で火の玉を立て続けに2個(!?)受け流した。
- 後ろにいた魔理沙は、偶然にも俺に守られたらしく、無傷だった。
- 魔理沙「次はこっちの番だぜ! 恋符マスタァー・スパァークッ!!」
- そう言った魔理沙の手には、小さな六角形の機械らしき物、その機械が一瞬ピカッっと光ると、七色の巨大なレーザーが、パチュリーに向かって放たれた。
- ザラウ「(なんじゃそりゃあ!?)」
- パチュリーを直撃し、レーザーは3、4秒くらい強い光を放っていた。
- しかし、レーザーが消えた後のパチュリーは何ごともなかったかのように立っていた。
- 魔理沙「嘘だろ……!?」
- ひらめいた俺は走り出し、壁……、というか本棚を思いっきり蹴り、三角跳びでパチュリーの頭上で刀を構える。
- -------ガスッ!!
- 刀の柄でパチュリーの頭をぶん殴った。
- パチュリー「むきゅ…っ!?」
- 次の瞬間、パチュリーは白目をむいて前のめりに倒れた。
- 魔理沙「……は、はあっ!?(なんじゃそりゃあ!?)」
- 着地した俺を見て、魔理沙は驚いていた。
- なぜなら、自分より背の低い(幼い)少年が高速で走り出して、見事な三角跳びの後、相手の頭にみね打ちを喰らわせたのだから。
- 俺は多分、勝利を確信して凄い笑顔になっていただろう、つまり「どや顔」である。
- 魔理沙「ま、まあ良いや、先に進もうぜ!」